コロナ禍の子どもたち

新型コロナウィルス感染症防止のために、当時の総理大臣が小中高の一斉休校を決めたのは2020年の春でした。それから1年半が経ち、今も首都圏では緊急事態宣言が継続しています。

この一年半の間で、子どもたちの学校生活はそれまでとは異なるものになりました。

新型コロナウィルス感染症は「飛沫感染」のため、他者との接触を極力避ける必要があると言われています。このため、学校では机に仕切り板を置いたり、同じ方向を向いて黙って給食を食べたり…とさまざまな対策を講じています。遠足やキャンプ、合唱祭など、本来であれば学校生活を彩るはずの各種行事は中止され、部活動も制限されています。

このような制限の中で子どもたちは学校生活を送っています。

今、学校には「コロナが怖くて登校できない」子どもたちがいます。また、ご家庭の判断で登校を見合わせている場合もあります。いつ終わるとも知れない状況の中で、子どもたちの学ぶ権利をどのように保障するかということが今後の課題になってくると思われます。

私が日々出会う子どもたちにも長引く自粛生活の影響が現れ始めていると感じています。

中学生の場合には「やる気が起きない」とか「イライラする」「眠れない」などこころの不調に現れることが多いようです。年齢の低い児童は「お腹が痛い」など身体症状を訴えることが増えてきました。また、休校や分散登校の影響で、生活リズムが乱れたり、家でネット依存、ゲーム依存のような状態になってしまう子どもたちもいます。

ネット依存については別記事にしようと思いますが、ここでお話ししたいのは「いろいろな制限の中で頑張っている子どもたち」についてです。

真面目に大人に言われた通りに生活している子どもたちが相談室で漏らした言葉をお伝えしたいと思います。

「思い切り散歩したいのにそれができない。何かすごいことをしたいわけじゃない。好きな時に外に出かけて歩きたい」

「部活の大会も遠足も体育祭も修学旅行もなくなってしまったのに、テストとか受験はなくならない」

「なんとなくイライラして仕方ない。何をどうすれば気持ちが晴れるのかわからない」

日常生活の中で大人以上に閉塞感を感じている子どもたちの様子が伝わってきます。

彼らに対して私たち心理職は何ができるのでしょうか。私たち自身も大きな閉塞感の中に生活しています。今の私には、こういう子どもたちの声をお伝えすることしかできません。

とても歯がゆい気持ちを抱いています。

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