前回は「協働や連携を行なっていくのはなかなか大変」ということを書きました。
今回は SCのお仕事について書いていこうと思います。
SCは「教育機関において心理相談業務に従事する心理職」です。1995年(平成7年)に旧文部省による〈スクールカウンセラー活用調査研究委託事業〉の展開が始まり,全国の小・中・高校に導入されるようになりました。その背景には深刻化するいじめや不登校の問題がありました。従来から学校では教育相談が行われていましたが、そこにこころの専門家を加えることでより一層の相談体制の充実を目指したのだと思われます。
また、教職員ではない人が相談に応じることは第三者性を保つことにつながり、児童生徒や保護者が学校での教職員の評価を気にすることなく相談できるという点も重要なポイントでした。
SCの業務内容について、文部科学省の資料には以下のように記されています。
スクールカウンセラーの業務は、児童生徒に対する相談のほか、保護者及び教職員に対する相談、教職員等への研修、事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケアなど、ますます多岐にわたっており、学校の教育相談体制に大きな役割を果たしている。 と明記されています。
そしてその業務内容は…
- 児童生徒に対する相談・助言
- 保護者や教職員に対する相談(カウンセリング、コンサルテーション)
- 校内会議等への参加
- 教職員や児童生徒への研修や講話
- 相談者への心理的な見立てや対応
- ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応
- 事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア
という7項目が挙げられています。
さて、実際についてですが、それぞれの市町村によって多少の違いはあるものの概ね上に挙げられたような活動を学校から求められているように思います。しかし、私は、SCとして長く仕事をしてきた中でこれらの7項目をまんべんなく行えた年はありませんでした。そもそも週1日の勤務では時間が足りず、研修やストレスチェックまでは手が回らないというのが実情です。特に最近は1日の相談枠が全部埋まっていることもあり、それだけで手一杯な感じです。もう少し勤務日数が増えたり、勤務時間に融通が効くようになればできることも増えてくるのかもしれません。