またまたブログの記事が滞ってしまいました。
今日はカウンセリングなどの心理援助の「場所」について考えてみたいと思います。
前の記事で地元にある開業心理相談室が事務所を引き払い、「レンタルスペースの会議室で面接を行うようにしたらしい」ということを書きました。そのこと自体は経営者の方がそのような運営方法を考えて実践されていることなので、外野がとやかく言うことではありません。
でも、私自身は「あそこで心理面接というのは厳しいのでは?」と思ってしまうのです。なぜならば、そこは“セミ・オープンスペース”だからです。パーテーションで区切っているのですが、声が聞こえます。私もそのレンタルスペースを利用しているので、会議室の声が漏れてくるのを体験しています。でも、これは私の「面接観?」なので正しいとか正しくないとかいうことではありません。
心理面接が成り立つ条件としては「時間」と「場所」が挙げられます。
「時間」というのはクライエントさんのための時間を保証するということです。「◯月△日の××時からお会いしましょう」という約束(予約)をして面接は行われます。この時間はそのクライエントさんのための時間です。これを確実に保証することが必要かつ重要なことだと思います。また、面接時間は1回何分間という取り決めを行い、それを守ることも大切です。クライエントさんによっては時間を守れなかったり、終了時間になっても終われなかったりすることがあります。私たちは、それらの時間にまつわるクライエントさんの行動も解釈の対象にしています。私はちょっと時間にルーズなところがあるのですが、心理面接を行う場面では時間を守るようにしています。
次に「場所」です。心理面接で扱う内容は極めてパーソナルなことです。なので、プライバシーが十分に守られる空間が必要です。面談中に「第三者に話が聞こえてしまう」とか「誰かが部屋に入ってくる」というような事態はあってはならないと考えています。(学校では時々教員などが入ってきてしまうことがあり困ってしまうのですが…)レンタルスペースやカフェのような場所でのカウンセリングではこの「場所の安全」が守られないように思います。同じ環境の中で落ち着いて話ができることが必要で、私たちはそういう場を提供できるように考えていかないといけないのだと思います。
とはいうものの「ひまわり心理社会相談室」も現時点では固有の部屋を持てていません。なかなか貸してくれる物件がなく、また、週末開業ということもあり、貸し会議室という分類にはなりますが、マンションの1室を予め同じ時間帯で借りています。「同じ時間帯で個室を借りている」というところでギリギリ自分の中の倫理的なものをクリアしているように感じています。それでもこれでいいのかどうか迷うところです。開業されている心理士の方から見ると“ツッコミどころ満載”かもしれませんが、なるべく安定した環境を維持できるようにこれからも考えていきたいと思っています。